非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)③特例承継計画
投稿日:2021.03.03
こんにちは。
名古屋市中区の笘原拓人税理士事務所の税理士の笘原です。
2018年4月1日から施行されている、大きく改正をされた非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)について、国税庁のパンフレットよりも一歩踏み込んだ解説や注意点、実務の落とし穴などについて解説をしていきたいと思います。
今回は前回の2つの期限で登場した「特例承継計画」について解説をしたいと思います。
特例承継計画は都道府県知事に提出する書類です。
特例承継計画のフォーマットについては、中小企業庁よりフォーマットが指定されています。私たちは非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)のご依頼が多いため、会計ソフトメーカーのシステムを利用して作成をしています。
特例承継計画の記載事項の内容と解説
1.会社について
主たる事業内容や資本金の額、常時使用する従業員数を記載します。詳細は後日解説をしますが、目的は特例の適用を受ける会社の要件に該当するかを判断するためです。
2.特例代表者について
贈与・相続により株式を渡そうしている先代経営者の氏名と代表権の有無を記載します。目的は特例の適用を受ける先代経営者の要件の1つである代表権を有していた事実があるかを判断するためです。
3.特例後継者について
特例を受けようとする後継者の氏名を記載します。目的は特例の適用を受ける後継者を明確にするためです。
4.特例代表者が有する株式等を特例後継者が取得するまでの期間における経営の計画について
(1)株式を承継する時期(予定)
株式を贈与する予定の月を記載します。なお。時期とは2023年3月31日までは相続の場合に限り、相続後であっても特例承継計画を提出することが可能です。そのため、時期という表現も記載されています。なお、相続の場合は、先代経営者がお亡くなりになられた日を記載します。
(2)当該時期までの経営上の課題
株式を贈与する予定の月までの経営上の課題を記載します。なお、既に相続により後継者が株式を取得している場合には記載は不要です。
(3)当該課題への対応
上記課題への対応策を記載します。なお、既に相続により後継者が株式を取得している場合には記載は不要です。
5.特例後継者が株式等を承継した後5年間の経営計画
株式等を承継した「後」5年間。「後」がポイントです。目的は経営の円滑な承継を進めるための準備及び会社の継続の計画を確認するためです。
特例承継計画を含む非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(事業承継税制)について、早めの準備のスタートをきりたい方は、お気軽に名古屋市中区金山の笘原拓人税理士事務所までお問い合わせください。初回相談は無料で承ります。
執筆者 税理士 笘原拓人